それ自臭症かも?実際には臭っていないあなたのお口

どうして「自臭症」になるの?
強い強迫観念から、「自分の口は臭いのかもしれない」と思い込んでしまう「自臭症」は、精神疾患の1つです。
では、どうして強く思い込んでしまうのでしょうか?
「自臭症」の患者さんの多くは、潔癖症だったり几帳面な性格だったりします。
こういった方たちの多くは強迫観念にとらわれてしまうこともあるようです。
また、大きなストレスを感じていたり、精神的に追い詰められた状態だったりすると、「自臭症」に罹る可能性があるそうです。
他人が自分をあざ笑っている
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前に口が臭うと言われたことがある
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もしかして私の口、臭いの?
と、知らず知らずのうちに自分を追い込んでしまいます。
また、こういった方の多くは、うつ病や醜形恐怖症といった精神疾患と併発することもあり、重症化するケースもあるようです。
自臭症は、どんな症状があるの?
精神疾患の1つである「自臭症」には、けがや腫れなどといった肉体的な症状があるわけではありません。
思い込みや強迫観念が主な原因であるため、その症状も、思い込みや強迫観念が大きく影響しています。
対人恐怖症
「自臭症」患者の多くは、「他人に嫌われている」「嘲られている」といった思い込みからうつ病に罹るケースがあるようです。
また、うつ病から「他人に嫌われている」「嘲られている」と思い込み、そこから「自臭症」を患うこともあるようです。
どちらにしろ、うつ病と自臭症を併発している多くの方は、他人のちょっとしたしぐさや動作を気にするようになります。
また、ほかの方が周囲のにおいや自分のにおいを気にするような仕草をしただけで、自分の臭いを指摘されていると思い込んでしまいます。
その思い込みが強くなってくると、他人と会うことに恐怖を覚えるようになります。
引きこもり
対人恐怖症が進むと他人に会うことが怖くなり、引きこもってしまうケースもあります。
また、実際には臭っていない自分の口臭が周りの人に不快感を与え続けているといった思い込みから、外出できなくなるケースもあります。
こういった強い思い込みは、次第に自分を追い込み、自殺に至ってしまうこともあります。
過剰な行動
強迫観念から過剰な行動に出てしまうケースもあります。
例えば、口臭を気にしすぎることで必要以上に歯を磨くといった行為です。中には、その行為がエスカレートし、口の中がボロボロになるほど磨いてしまうこともあるそうです。
香水を過剰なまでに自分に振り掛けるのも、そういった行為の1つです。中には香水を口の中に含んでしまうといったケースもあります。
とにかく自分の口臭を消し去ろうと、思いつく限りの口臭原因を絶つために、過剰な行動をとり続けてしまうのです。
少しでも自分の口臭が気になるのなら、こういった状態になる前に、歯科医や口腔外科などで診てもらいましょう。
気になり始めた段階であれば、専門医からの診断結果を素直に受け入れられるでしょう。
自臭症は治療はできるの?
実際に口が臭っている場合、その原因が何かしらあるものです。ですので、自分で、または歯科医や口腔外科でその原因を絶ち、臭いを改善することが出来ます。
しかし、自臭症の場合は実際には口臭があるわけではないので、歯科医や口腔外科では治療することが出来ません。
精神疾患の1つである以上、神経内科などの専門医と相談して治療を進めていくことになります。
まだ自臭症に罹ったばかりだったり、それほど思い込みが激しくなかったりする場合、面会療法という方法で、治療できるケースもあります。
軽い思い込みの段階であれば、専門家に「あなたの口からは不快な臭いは出ていません」と言ってもらっただけで、自分の口は臭くないのだと気づくことが出来ます。
自分の思い込みだったのだと気づくことが出来れば、症状は直ぐにでも改善します。
しかし、思い込みが激しすぎる場合、専門家が「あなたの口からは不快な臭いは出ていません」と言っただけでは、残念ながらその症状が改善することはありません。
この場合は、認知療法という治療法を行います。
つまり、自分の感覚と他人の感覚には大きなズレが生じているのだと、認識させる方法です。
この治療法の場合、人によっては人ごみの中にあえて連れ出して、周囲の人たちが自分を嫌悪していないのだと認識させるといった、荒療治もあるようです。
一番治療が大変なのは、すでに自分の殻の中に閉じこもってしまった状態の方の場合です。こういった方の場合は、ほかの精神疾患の方と同じように、時間をかけて長期的に治療を行います。
口臭は、気になり始めると精神疾患に繋がってしまうこともあります。もし、少しでも気になるのなら、早めに専門医に相談することをお勧めします。