ニキビとニキビ跡の治療方法(2)

漢方薬でニキビを治療
漢方薬は、ニキビを直接的に治療するのではなく、体質改善によってニキビを治療するのを目的に処方されます。
皮膚科で治療薬を塗ってもらっても症状が改善されなかったり、スキンケアをしっかり行っているはずなのに、ニキビがなかなか治らなかったりした場合、体質や生活を改善することでニキビが治ることもあります。
ニキビは皮膚病の一種ですが、その原因は皮膚上のトラブルだけでなく、ストレスや食生活の乱れなど、内面的な要因も含まれています。
特に、大人になってからできるニキビは、思春期のような過剰な皮脂分泌が原因ではなく、ストレスなどの内面的な要因の方が大きいと言えます。
これら内面的な要因を取り除かなければ、いくら皮膚上のニキビを治療しても、何度もニキビが出てきてしまいます。
内面的な要因を取り除くのに、生活の改善だけでなく、漢方薬によって体質の改善も図ることでより良い効果が期待できます。
皮膚科病院の中には、漢方薬の処方をしてくれるところもあります。また、漢方薬局で直接相談して処方してもらうことも出来ます。
一度検討してみてはいかがでしょうか?
大人ニキビに有効な漢方薬
加味逍遥散(カミショウヨウサン)
月経異常や更年期障害など、女性特有の症状によく処方されます。
体力がなく、肩こりやめまい、頭痛などの症状や、のぼせや発汗、胃イライラなどの症状に有効です。
このほか、ストレスによる不安や不眠、頭痛やめまいなどの症状にも処方されます。
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
加味逍遥散同様、月経異常や更年期障害に処方されます。
体力は中位で、赤ら顔、のぼせやすいが手足が冷える、下腹部の張り、頭痛、めまい、肩こりに有効です。
また、ニキビやシミ、湿疹、皮膚炎、しもやけなど、皮膚トラブルにもよく用いられてきました。
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
血液の巡りをよくして体を温める効果があります。
月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害に処方されます。
また、産後不調にも処方されます。(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)
痩せていて体力のない方に向いている薬です。
このほか、めまい、立ちくらみ、頭痛、肩こり、腰痛、冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴りなどにも有効です。
荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
蓄膿症や慢性鼻炎、慢性扁桃腺、ニキビの改善のために処方されます。
血行が悪く、皮膚が浅黒く、手足の裏に汗をかきやすい人に向いています。
清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
赤いニキビ、顔や頭の湿疹、皮膚炎に効果があります。
十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
江戸時代に華岡青洲によって作られた漢方薬です。
化膿を抑え、皮膚の腫れ・赤み・かゆみを取ります。
おできやニキビ、皮膚炎、じんましん、水虫の改善に処方されます。
中程度の体力がある、神経質な方に向いていると言われています。
アレルギー体質や化膿しやすい体質の方の、体質改善にも処方されます。
漢方薬は、ドラッグストアでも簡単に手に入るようになりました。ですが、体質や症状によって効き目が違ってきますので、医師や漢方薬に詳しい薬剤師の方に相談をしてから、購入することをお勧めします。
ニキビを圧して膿を出す?
絶対にやってはいけないのですが、ニキビができるとついつい指でつまんで中の角栓や膿を出そうとしてしまいます。
これをすると、肌が赤くなって傷が出来ることもあります。
最近では、面皰圧出器具というものが市販されていて、指の代わりにニキビを圧して、膿や角栓を出してくれます。
自分で治療できるのですが、無理してニキビを潰そうとしたり、ニキビの中に残った膿などを出し切ろうとすると、傷になってしまいます。
病院でも同じ方法で治療をしてもらえますので、心配な方は病院で相談しましょう。
この器具を使ってニキビの中の膿や角栓を取り除きますので、ニキビ炎症を抑えることが出来て、早期にニキビを治すことが出来ます。
どのようなタイプのニキビにも有効な治療法ですので、皮膚科でも一般的に行われる治療です。
自分でこの器具を使う場合、器具の消毒や自分の肌の消毒など、結構手間がかかります。
自分で面皰圧出器具を使ってニキビを治療する方法
準備するもの
- 面皰圧出器具(アクネプレッシャー)
- ドラッグストアやネットで購入可能
- 800円~3,000円程度
- 針
- ニキビの先端に穴をあけるためのもの
- 消毒液・ライター・熱湯
- どれか1つ
- 針の先端や面皰圧出器具を消毒するもの
- 消毒液は、肌の消毒にも使用
- ピンセット
- 出てきた膿や角栓などをつまみ出すもの
- 綿棒
- コットンでも可
- 施術後に肌を消毒するためのもの
- 消炎効果のある化粧水
手順
- 使用する面皰圧出器具、針、ピンセットを消毒する
- 火で先端を炙っても、煮沸消毒でも構いません
- 針を使って、ニキビの先端(一番出っ張っている部分)を刺して穴をあける
- 必ず穴をあけます。
- 穴をあけずに面皰圧出器具を使用すると、傷口が大きくなり、最悪クレーター状に跡が残ってしまいます。
- 面皰圧出器具をニキビに押し当て、中の膿などを出す
- 強く押しすぎないようにしましょう。
- 一度に全てを出し切ろうとすると、穴が広がってしまい、結果傷が広がって跡が残ってしまいます。
- ピンセットを使って出てきた角栓などをつまみ出す
- この時、皮膚をつままないように気を付けます。
- 皮膚をつまんでしまうと、やはり傷の元となります。
- 取り除いたニキビに綿棒やコットンを使って消毒をする
- 雑菌が傷口から入らないように、消毒をします。
- 手で直接患部に触れると、雑菌が入り込んでしまうので、直接触れないようにします。
- 手で患部に触れる場合は、手もきれいに消毒します。
- 消炎効果のある化粧水で、肌を整える
手順だけを見れば、それほど難しくない治療法ですが、無理をしすぎたり清潔な状態を保てなかったりすると、傷になったり炎症がひどくなったりします。
ニキビの先端にコメドが見えているような白っぽいニキビなら、自分で施術してもあまり問題はありません。
ですが、大きくなったニキビや炎症が激しいニキビなどの場合は、自分で施術するのではなく、必ず病院で行ってもらいます。
ニキビ跡もきれいに
ニキビに悩む方の中には、ニキビが治った後のニキビ跡に悩んでいる方も少なくありません。
ニキビ跡のには、フラクセル2という治療法がよく行われます。
主に美容皮膚科などで行われる手術方法で、フラクショナルCo2レーザーを、皮膚表面に均一に照射して細胞再生を促進する治療法です。
ニキビ跡の赤身治療だけでなく、シミや毛穴の開き、小じわなどにも効果があります。
細胞の再生を促進させて、コラーゲン生成を促しますので、クレーター状のニキビ跡にも効果がある治療法です。